Profile of Yoshio AKAO赤尾好夫プロフィール

— 夢高くして足地にあり —

株式会社旺文社の社是にもなっているこのことばは、創業当初に赤尾自身が心に誓ったことばです。

夢高くして足地にあり

出版をやる以上、理想を貫かなくてはいけない。決して、人のプライバシーを侵害したり、あるいは青少年を堕落させるようなものは作ってはいけない。要するに、理想を高くもたなければいけないと固く心に誓った。しかし、理想を高くもちすぎて足が地から離れてしまってはいけない。エマーソンの「希望は天の星につながり、足は地にあり」という言葉を思い起こして、私は、「夢高くして足地にあり」ということをモットーに出発した。

「私の履歴書 第47集」(1973年日本経済新聞社刊行)より

— 自己を愛するとは、自己を向上させることである —

赤尾は、出版や放送や社会教育その他の事業すべてを、若い人たちのために打ち込み「螢雪時代」等の雑誌や書籍の中で、若者たちへのメッセージを発信し続けました。

※「若き人々におくる」(1937年/昭和13年)、「若い人のために」(1955年/昭和30年)、「若人におくることば」(1974年/昭和49年)など

以下に「若人におくることば」の序章の一部をご紹介します。この文章の中から抜粋し英訳したものが、当ホームページのトップページに掲載されています。

「螢雪時代」「若人におくることば」

人生に繰り返しはなく、青春はふたたび帰ってこない。

珠玉のごとき青春をいだいた諸君は、しんじつ自己を愛さなければならない。自己を愛するとは、自己を向上させることである。深い知識、広い教養、よい性格、たくましい体格等は、いつの時代、いかなる国においてもこよなき美徳であって、これなくして人間の向上はなく、国家社会の繁栄もない。しかも、これらもろもろの知識的道徳的美徳の涵養は、若い世代の諸君においてこそ達せられる。この機会をのがせば永久に不可能になってしまう。このことは、生きることとともに諸君に与えられた責務でもある。

この競争の厳しく激しい時代に、よりよく生きることは、決してやさしいことではない。だれでも安易な道を選びたくなるからである。しかし、安易な生活に幸福はもたらされない。安易を喜ぶ人間は、すでに若人としての資格を失っている者である。にもかかわらず、人は安易な生活に落ちやすい。聖書にいう「滅びに至るの道は広し」である。あえていう。人生は厳しいものと知るべきである。

「若人におくることば」(序にかえて)より